変動金利型住宅ローンについて
銀行員時代に住宅ローン契約の際にお客様からこんな一言を言われたことがあります。
「返済額が将来上がるなんて聞いてない!」
住宅ローンですから、契約に至るまでに事前審査・正式審査を経ているのに、住宅ローン手続きを代行した不動産業者は変動金利について一切説明していなかったようです。後日、その不動産業者の担当者に聞いてみたところ、返済額については説明したが変動金利についてはよくわからないので銀行に聞いてくださいと伝えたとのことでした。
上記は極端な例ですが、住宅ローンの変動金利について正確に説明をできない不動産業者の担当の方は少なくありません。変動金利型住宅ローンはフラット35等の全期間固定型住宅ローンに比べて金利が低く抑えられている代わりに将来金利が変動するリスクがあり、そのリスクを理解した上で借入しなければなりません。以下は多くの銀行で採用されている5年間返済額固定型の変動金利の注意点の例です。
・当初5年間は返済額は金利が上がっても変わらない。
・上記5年以内に金利が上がると、返済額を変えずに利息と元金の内訳が変わる。
・返済額のうち、銀行に支払う利息が全額徴収され、残りが元金返済となる。
・借入から5年後に、返済額の見直しを行って最終返済日に完済されるようにする。
・借入から5年間で金利の上昇が急であった場合に、見直し後の返済額が当初の1.25倍を超える場合は1.25倍までに抑えるように返済額を調整する。
・上記1.25倍ルールが適用された場合、変更後の返済額を滞りなく返済しても最終返済日に元金が残るため、次の5年後(借入から10年後)に最終返済日に完済されるように返済額が調整される。
・借入から5年後~10年後には返済額の変更はないが、その間に金利の上昇があれば、上記のルールで借入から10年後に返済額が変更される。
・以降5年ごとに上記変更が繰り返される。
・最悪のケースでは金利の急上昇があった場合、返済額の内訳が全て利息となるばかりか支払われていない利息も発生し、ルール通りの返済額を支払っても元金が全く減らないという現象が起きる。
上記の通り、変動金利にはリスクがあり、それを理解した上で借入する必要があります。今日本は歴史的な転換点にあり、長年続いたゼロ金利は解除され、日銀の金融政策決定会合で金利を上げるか据え置くかの議論はあっても金利を下げるという議論はほぼないのではないでしょうか。金利がどう動くかは銀行員でもわかりません。また、断定的判断の提供は禁止されており、「金利はしばらくは上がりませんよ」とは銀行員で言う人はいないはずです。不動産業者の担当者から金利の種類(変動金利・当初固定・全期間固定)の説明なく「返済額はこの金額になります」と聞いた時には必ず金利の種類とそのリスクを聞くようにしてください。最終住宅ローンの契約をするのは買主様であり、支払い続けるのも買主様です。リスクを十分に確認した上で住宅ローンを選ぶようにしていきましょう。
「返済額が将来上がるなんて聞いてない!」
住宅ローンですから、契約に至るまでに事前審査・正式審査を経ているのに、住宅ローン手続きを代行した不動産業者は変動金利について一切説明していなかったようです。後日、その不動産業者の担当者に聞いてみたところ、返済額については説明したが変動金利についてはよくわからないので銀行に聞いてくださいと伝えたとのことでした。
上記は極端な例ですが、住宅ローンの変動金利について正確に説明をできない不動産業者の担当の方は少なくありません。変動金利型住宅ローンはフラット35等の全期間固定型住宅ローンに比べて金利が低く抑えられている代わりに将来金利が変動するリスクがあり、そのリスクを理解した上で借入しなければなりません。以下は多くの銀行で採用されている5年間返済額固定型の変動金利の注意点の例です。
・当初5年間は返済額は金利が上がっても変わらない。
・上記5年以内に金利が上がると、返済額を変えずに利息と元金の内訳が変わる。
・返済額のうち、銀行に支払う利息が全額徴収され、残りが元金返済となる。
・借入から5年後に、返済額の見直しを行って最終返済日に完済されるようにする。
・借入から5年間で金利の上昇が急であった場合に、見直し後の返済額が当初の1.25倍を超える場合は1.25倍までに抑えるように返済額を調整する。
・上記1.25倍ルールが適用された場合、変更後の返済額を滞りなく返済しても最終返済日に元金が残るため、次の5年後(借入から10年後)に最終返済日に完済されるように返済額が調整される。
・借入から5年後~10年後には返済額の変更はないが、その間に金利の上昇があれば、上記のルールで借入から10年後に返済額が変更される。
・以降5年ごとに上記変更が繰り返される。
・最悪のケースでは金利の急上昇があった場合、返済額の内訳が全て利息となるばかりか支払われていない利息も発生し、ルール通りの返済額を支払っても元金が全く減らないという現象が起きる。
上記の通り、変動金利にはリスクがあり、それを理解した上で借入する必要があります。今日本は歴史的な転換点にあり、長年続いたゼロ金利は解除され、日銀の金融政策決定会合で金利を上げるか据え置くかの議論はあっても金利を下げるという議論はほぼないのではないでしょうか。金利がどう動くかは銀行員でもわかりません。また、断定的判断の提供は禁止されており、「金利はしばらくは上がりませんよ」とは銀行員で言う人はいないはずです。不動産業者の担当者から金利の種類(変動金利・当初固定・全期間固定)の説明なく「返済額はこの金額になります」と聞いた時には必ず金利の種類とそのリスクを聞くようにしてください。最終住宅ローンの契約をするのは買主様であり、支払い続けるのも買主様です。リスクを十分に確認した上で住宅ローンを選ぶようにしていきましょう。